交通の障害にならず、なるべく平らな所へ車を止めます。
まず、チェーンを広げてみます。容器に入れられる際などに、 捻れてしまっている 事が多い為、サイドチェーンとクロスチェーンの接合部を調べます。 もし捻じれている場合は、その捻じれをとってやります。
捻じれていると、チェーン本来の長さとならず、タイヤサイズとの関係によっては とどかない 事があります。 また、捻じれたまま装着し走行してしまうと、チェーンに無理な力がかかるため、 トラブルを誘発する事もあります。 もし、装着する段階で一回り小さいような気がしたら、 捻じれが無いかどうか確かめてみる必要があるでしょう。
次の写真は、捻じれている状態を示しています。
具体的には、サイドチェーンとクロスチェーンの接合部全てが、同じ側(内側)に来ているように修正します。 多くの場合、チェーンの端を梯子状になった部分の内側をくぐらせることで修正します。
反対側も同様にチェックし、捻じれがある場合は修正します。
次の写真は捻じれている場所を示しています。
やはり、梯子の内側をくぐらせて修正します。
次の写真は、修正の終った状態です。
クロスチェーンとサイドチェーンの接合部の折り返しが、タイヤを傷つける事を避ける為、 折り返しが外側に向かって開いている状態となるよう、タイヤの上から、 前後のたるみが均等になるよう調整しながら、チェーンを被せます。
この時、チェーンの種類によっては、タイヤ内側と外側でフックの形状が異なる物がありますので、 それにも注意が必要です。
よくあるのは、内側は単に引っかけるだけの物で、 外側はフックを回転させて止めるタイプの物があります。
ここで例に使っているのは、両側ともフックが回転するタイプのものです。 もし、お持ちのチェーンが、片側が引っかけるだけのタイプだった場合、 引っかけるだけのフックの方が、 必ず内側 (ボディー側)にくるようにします。
また、走行中にフックが外れる可能性をなくすため、 可能であればフックのついている側が後ろ側になるようにかぶせます。
まず、内側を止めます。大抵の場合、チェーンはタイヤサイズに対し、 ある程度長めになっているので、最低でも 2〜3 コマ余る筈です。 余るコマ数は、チェーンとタイヤサイズの関係によってもずいぶん異なりますが、 緩いとトラブルの原因になる事がありますので、ちょっときつ目に付けるようにします。
ただ被せただけでは作業がしづらいので、車をほんの少し前後に動かし、 接合作業がしやすいようにします。
ここからの作業は、車が滑べって不意に動くと大変な事になってしまうため、 作業につかっていないチェーンを輪止めがわりに、 作業しているのと対角のタイヤに噛ませます。 但し、両側同時に被せて車をチェーンの上に乗せた場合は、平らな場所 では、まず動かないので、大丈夫だと思います。
車を少し動かすと、次のような状態になっている筈です。 (この写真はちょっと行き過ぎです。^^; 本当はもう少し地面側で作業するような位置が楽です。)
内側、下のチェーンの端を持ち上げ、ある程度張った状態になるよう、 数コマ余して上のフックに引っかけます。
上と下の両端を合わせ、一旦、回転フックの先端にかかるいっぱいの所に引っかけます。 (きちんと通して固定せずに仮に先端に引っかけるだけ)
そうしておいて、タイヤ全体に均等にチェーンがかかっていて、 先に止めた内側がピンと張った状態になるように、 体重を掛けて、サイドチェーンを出来るだけ手前に引っ張り出します。
もし、内側が緩すぎるようなら、ここで調整して( 1〜2 コマ詰めて)おきます。
また、クロスチェーンがうねっていたり、寄っている場合は、 タイヤ中心から放射状に、かつ出来るだけ均等にかかった状態となるように、 サイドチェーンを外側に引っ張りだしながら修正します。
次に、仮に先を引っかけておいたフックを、コマの中を通す事が出来て、 回転させられるぎりぎりの所を見付け、フックを通します。
フックが通ったら、ストッパーを通し固定します。
余ったコマがボディーやブレーキライン等を叩いて傷つけないように固定します。
固定には、針金や配線止め用のタイラップで 出来るだけ太く丈夫なもの を使うと良いでしょう。
余ったコマの端を、自身の方へ折り返し、 ピンと張って出来るだけ遠くのサイドチェーンのコマと結びます。 もし、大量に余ってしまったような場合は、必要なら数カ所、 タイラップで結んでやるとより良いでしょう。
出来たら、タイヤ内側も同様に処理し、余分なタイラップを切ります。
ここまで出来たら片側のタイヤは完了です。 反対側のタイヤも同様に作業を繰り返します。
少し車を動かして見て、チェーンの外れ、やゆるみが無いか、 確かめましょう。
新品のチェーンは、しばらくは確実に伸びます。また、新品でなくとも、 上記作業だけでは、完全に均等にゆるみ無く取り付けるのは困難ですので、 少し走行すると、不均等だった部分がずれて、外側のコマは、 1コマ程度すぐに増し締め出来るようになります。
ひどくゆるんだ状態で走行すると、外れてしまったり、 ずれてしまったりして、ボディーを傷つけたり、 ブレーキホースの破損等の事故につながりますので十分注意して下さい。
少々のゆるみの場合は、大抵、外側のコマだけをいっぱいに詰めるだけで十分ですが、 あまりにひどくゆるんでいる場合は、内側のコマも数コマ分きつく止め直すようにして下さい。
ゆるみがほとんど無く、タイヤハウス、フェンダーとの間に余裕があれば、 チェーンバンドは無くても大丈夫ですが、タイヤハウス(フェンダー)内に余裕がない場合や、 前輪に装着し、ハンドルを切った時のボディー等への干渉などの可能性があるなら、 付属のチェーンバンドで締めておくと良いでしょう。 特にチェーンが新品の場合は、伸びてゆるむので、 チェーンバンドをしておいた方が良いでしょう。
チェーンバンドは、まず上側半分を固定し、 最後に一番下へ向かって押し下げるようにすると、 楽に付けられます。また、バンドの爪が、 タイヤを傷つける事の無いよう外側に開いた状態で取り付けます。
あとは、楽しんで走るだけです。^^;
外すときはこの逆をすると良いので、わけはないでしょう。 内側のフックを外しやすくする為に、フックを作業しやすい位置 (取り付けた時と同様、地面とボディーの間) に持って来て、内側、外側、両方のフックを外し、上側のチェーンを地面に広げ、 車を動かせば簡単に外せます。
しまうときは、捻じれないよう、両端のフックを止めて、畳むようにしておくと良いでしょう。